カーリース

カーリースの残価とは?計算方法やどのように料金に反映されるかを徹底解説

車を購入したりカーリースで契約する際によく聞く「残価」。残価によって、月額料金や返却時の精算料金が決まるため、不利な契約とならないように明確に理解しておく必要があります。

しかし、残価というワードに聞き馴染みがない人はも多いのではないでしょうか。本記事では、残価の概要や返却時の精算方法、カーリースと残価設定型のカーローンの違いなどをわかりやすくまとめました。これからカーリースの契約を検討している人は、ぜひチェックしてみてください。

カーリースの残価とは

残価とは、一言で言えば、車のリセールバリュー(下取り価格)のこと。リース契約終了時に、その車の価値がどの程度残っているのか?を表しており、正式には残存価格と言います。

この残価という仕組みを活用することで、カーリースでは車両本体価格を全額支払う場合よりも安い金額で利用することが可能になります。

例えば100万円の車を購入する場合、本来は全額一括又は分割で100万円を支払わなければいけないところ、5年後の契約終了時の残価を40万円に設定することで、残りの60万円を5年間で分割して月額料金に設定できるのが、残価を利用したカーリースの仕組みです。

カーリース
車両本体価格100万円
残価40万円
合計の支払い金額60万円(100万円-40万円)
毎月の支払い金額1万円(60万円÷60ヶ月)

カーリースの残価はどのように決まる?

カーリースの残価は、以下のように決まります。それぞれ詳しく解説します。

  • リセールされる現場の取引価格を元に判断される
  • メーカーや車、仕様が加味される

リセールされる現場の取引価格を元に判断される

カーリースは、リセール(中古車が売買)される現場での取引価格を元に判断しています。具体的には、以下のような情報に基づいた取引価格で判断されます。

  • オークション取引(中古車を業者間で取引する場)での売買実績
  • 売買実績をもとにしたオークションデータや残価データ

これらの情報やデータと、カーリース契約者の「何年で契約したいか」「どの程度の走行距離を走る予定か 」などの情報を鑑みて残価が決定します。

メーカーや車、仕様が加味される

残価はリセールされる現場の取引価格によって大きく異なります。リセールされる現場の取引価格は、主に以下の要因によって決定します。

  • メーカーや車種
  • グレード
  • 新車登録時からの日数
  • 走行距離
  • オプションの有無

例えば人気のSUVタイプでも、上記の要素で大きく市場価格が変わります。次の見出しでは、エンキロで取り扱いのあるトヨタのRAV4と日産のエクストレイルを例にして、具体的な価格を解説していきます。

残価設定時の料金シミュレーション

ここでは、エンキロで取り扱いのあるSUVタイプの車からトヨタの「RAV4」と日産の「エクストレイル」を例にして、実際の料金をシミュレーションしていきます。具体的な条件と月額基本料金は以下のとおりです。

メーカー・車名トヨタ「RAV4」日産「エクストレイル」
車両本体価格(税込)4,303,000円4,049,100円
グレード
(下からS→X→Gの順序)
GX
駆動方式4WD2WD
契約年数5年
プランスタンダードプラン
オプションなし
月額基本料金(税込)36,956円51,702円

月額基本料金はトヨタの「RAV4」は36,956円、日産の「エクストレイル」は51,702円。本体価格は日産の「エクストレイル」よりもトヨタの「RAV」4のほうが高いにも関わらず、月額基本料金は日産の「エクストレイル」よりもトヨタの「RAV」4のほうが安いことがわかりました。

このような逆転現象が起こる理由は、トヨタRAV4の中古市場での取引相場が高いためです。カーリースの契約が終了した際でも市場価値が落ちづらいため、残価を高く設定して月額基本料金を抑えられます。

カーリースでは残価を元に月額基本料金を計算するため、人気のないモデルを選ぶと月額基本料金を抑えられない場合があります。気になる車があればシミュレーションして、比較してみると良いでしょう。

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残価設定型のカーリース・ローンの支払い方法とメリット

残価設定型カーリースやローンでは、車体価格と残価(リース契約満了時に予想される車の価値)をもとに月額料金を決定します。具体的な計算方法の例は以下のとおりです。

  • 車体価格が100万円で5年後の残価を50万円と見込み、残りの50万円を月々分割で支払う。

返却時の価値を見込んでいるため全額を分割で支払う場合に比べて、以下のように月々の支払額を大幅に減らすことが可能。残価はコストを抑えて車を持ちたい人には、大きなメリットがあります。

  • 全額を分割で支払う場合:100万円 ÷ 60ヶ月(5年間)= 約16,666円
  • 残価を設定する場合:(100万円-50万円)÷ 60ヶ月(5年間)= 約8,333円

なお、残価設定型のカーリース・ローンでは、契約終了時に以下の選択肢があります。契約内容にもよりますが、契約終了時の対応方法を柔軟に選べることもメリットといえるでしょう。

  1. 車を返却し精算する
  2. 車をディーラーやリース会社から残価で買い取り、使用続行または売却
  3. 残りの残価を分割で支払い、車を使用続行

ただし、契約終了時に車の価値が見込めないとリース会社やローン会社が判断した場合は、そもそも残価が設定されないこともあります。残価が設定されないと月額料金は高めになる傾向があるため、車選びは慎重に行いましょう。

残価設定型のカーリースの契約方式

カーリースの残価設定には、以下2つの契約方式があります。それぞれの契約方式を詳しくみていきましょう。

  • オープンエンド方式
  • クローズドエンド方式

オープンエンド方式​​

オープンエンド方式は、契約者同意のもと残価を設定する契約方式のこと。契約満了時の残価精算の責任が契約者にあります。差額が請求されるとなるとオープンエンド方式はデメリットのほうが大きいと感じる人もいるでしょう。しかし、オープンエンド方式は契約時に残価を自由に設定できるため、月額利用料を低めに設定できることがメリットです。

査定額が設定した残価を下回った場合と査定額が設定残価を上回った場合の例はそれぞれ以下のとおりです。

  • 車の査定額が設定残価を下回ったとき:車の査定額が40万円、設定残価が50万円の場合、契約者は差額の10万円の支払いが必要
  • 査定額が設定残価を上回ったとき:車の査定額60万円、設定残価50万円の場合、契約者には差額の10万円が返金される

このように設定残価が同じでも、契約満了時の車の査定額によって差額の支払いが必要になったり、逆に差額が返金されたりします。契約期間は3年・5年・7年など年単位である場合がほとんどなので、残価を設定する際は以下のポイントに留意することが重要です。

  • 契約時点と契約満了時点の車相場が異なる場合がある
  • 競合車種や車の生産状況によっては相場が下がることがある
  • 車の利用状態によって査定額は変動する

契約満了時の査定額は、残価の相場と車の利用状態などを総合的に判断して決定する仕組みです。相場だけでなく車の状態によっても変動することを理解しておきましょう。

クローズドエンド方式

クローズドエンド方式とは、契約時に残価を公表しない契約方式のこと。

クローズエンド方式の場合、一般的には残価が低く設定されるので、月額料金が高くなりやすいことはデメリット。しかし、契約満了時の残価精算はないため、あとから請求されることを気にせずに安心して乗れる点はメリットです。

なお、クローズドエンド方式でも、車に傷や汚れ等の減点項目があった場合は、原状回復費用として別途精算が必要な場合もあります。契約時は契約終了時の精算内容などの詳細まで確認することが重要です。

残価設定型カーリースとカーローンの違い

一定の月額料金を支払って車を保有するという意味で、残価設定型のカーリースとカーローンの2つは似ている部分があります。

ここでは、以下の異なる点を解説します。それぞれの特徴を理解し、自分にあったほうを選びましょう。

  • 所有権
  • 支払い構造
  • 支払いに含まれる費用
  • 契約終了時の選択肢

車の所有権

車の所有権は、カーリースの場合はリース会社にあります。カーローンも車の所有権はローン会社やディーラーにある場合が一般的ですが、ローン完済後は完全な所有権を得られることがカーリースとの違いです。

支払い構造

残価設定型のカーリースもカーローンも、車体価格と残価(契約満了時に予想される車の価値)をもとに月額料金を決定する点は同じ。

しかしカーローンではその金額に金利が乗ってくるため、合計の支払額が大きくなる傾向があります。一方でカーリースは契約期間にかかわらず、金利が発生することはありません。

支払いに含まれる費用

カーリースは車検や定期メンテナンス、税金などの費用が月額基本料金に含まれています。一方で、カーローンは車検や税金などの費用が支払いに含まれていません。

契約終了時の選択肢

カーリースは、契約満了時に買取の選択肢が用意されていないことがあります。一方カーローンでは、ローン完済後に車両の所有権を得られることが一般的です。

車を購入する予定がある人がカーリースを利用するなら、契約終了時の選択肢が豊富なリース会社を選ぶのがおすすめです。

カーリースの残価に関する4つの注意点

ここでは、カーリース契約時の残価について4つの注意点を述べていきます。

  • 残価を高く設定して月額基本料金を安く見せることがある(オープンエンド方式)
  • 相場よりも残価を低く設定することがある(クローズドエンド方式)
  • 早期解約は原則できない
  • 追加費用が発生する可能性がある

残価は契約において重要な意味を持つので、正しく理解しておきましょう。

残価を高く設定して月額基本料金を安く見せることがある(オープンエンド方式)

オープンエンド方式の場合、残価を高く設定して月額基本料金を安く見せることがあります。この場合、毎月の支払い金額は抑えられますが、契約満了時に追加請求が発生する可能性が高くなるので注意が必要です。

残価が正しく設定されているかどうか確かめるためには、他社と相見積もりをとったり中古車販売サイトで同程度の車と比較したりすると良いでしょう。

相場よりも残価を低く設定することがある(クローズドエンド方式)

残価を公開しないクローズドエンド方式では、相場よりも残価を低く設定して月額基本料金を高くすることがあります。

クローズドエンド方式では、返却時の相場変動リスクはリース会社や販売会社が負います。相場よりも残価を低く設定すると、カーリース会社やディーラーに対して有利な条件で車を受け取れることが多くなります。

早期解約は原則できない

カーリースの早期解約は、基本的に認められません。

カーリースでは、利用者が3年・5年・7年といった期間を利用することを前提に月額料金を決めます。長期で利用するほど月額料金は安くなるのが一般的。しかし、契約期間中に早期解約を行うとリース会社は収益が予定よりも少なくなるため、不利益を被ることになります。

やむを得ない事情で早期解約が認められるケースもありますが、その場合でも違約金の支払いが必要であることは理解しておきましょう。

追加費用が発生する可能性がある

契約満了時に、契約者には原状回復義務があります。原状回復義務とはリースされた車両を元の状態に戻す義務のことです。

車にキズや汚れなどがあった場合は、補修や修繕の費用が必要になる場合も。具体的には以下の項目があります。

  • 外装や内装の修復
  • 車両を正常な動作状態にする
  • 清掃および消臭

契約終了時は車を契約時の状態に戻す必要があるため、改造やカスタマイズなどを行わず、普段から丁寧な運転を心がけることが重要です。

事故で全損の場合は解約金の支払いが必要

事故でカーリースの車が全損した場合は、契約は強制終了となり解約金の支払いが必要です。

解約金は一般的に「残りの月額料金」「残価」「事務手数料」などを合算して計算を行います。多額の支払いが必要になるので、車両保険付きの任意保険に加入することは必須といえるでしょう。

エンキロのカーリース

エンキロは「月額基本料金」と「走行距離1kmあたりの距離料金」を支払うカーリースです。

一般的なカーリース会社では月々の走行距離を1,000〜1,500kmと想定して残価を低く設定する傾向があるため、月額基本料金が高い場合があります。

一方、エンキロでは1kmも走らなかった場合を想定して残価設定しているため、月額基本料金が安いことが特徴です。代わりに走行距離1kmあたりの距離料金が発生しますが、走行距離が少なめの月は費用を抑えてお得に車両を利用できます。

ただし、オープンエンド方式を採用しているため、契約満了時に差額が発生する場合があります。残価は過去の実績やオークション相場の推移を踏まえて慎重に設定していますが、相場の変動によって精算が必要になる場合があることを、あらかじめ理解しておきましょう。

エンキロのカーリースを見てみる

残価を正しく理解してカーリースを利用しよう

残価はカーリースやカーローン特有の概念であり、月額料金や契約満了時の精算に大きく影響します。月払いの金額は様々な要素で決定されますが、一般的には残価が高いと月額料金は低く、逆に残価が低いと月額料金は高くなることは覚えておきましょう

オープンエンド方式では、契約時に残価が公開されます。不利益を被ることがないように残価を正しく理解し、自分にあった契約プランを選びましょう。

この記事の監修者

原 航介

カーライフプランナー
日産自動車、フォルクスワーゲン・ファイナンシャルサービス・トヨタ自動車グループ会社にて、残価型ローン商品の開発や自動車ディーラー向けカーリース商品の開発担当経験など実績多数